スポーツジムの業務の一環として、退会手続きと退会届の処理があります。私はこれまでジムスタッフとして300枚以上の退会届を処理しており、また、退会手続きも相当数対応してきました。
そこまで数をこなしてくると、退会するパターンがわかってきます。そして、退会パターンを分析すると、そこからダイエットや運動を続けるポイントも明らかとなりました。
今回は、その内容を皆さんにご紹介しようと思います。
目次
なぜダイエットは続かないのか
キツいし面倒だから
ダイエットが続かない理由を細分化すれば、色々と並べることはできますが、結局のところはこれに尽きるのではないでしょうか。挫折したときを振り返ると「目標設定が高すぎた」、「計画が漠然としていた」など、反省点はいくつでも挙げられると思います。
しかし、このような反省点を意識して再度ダイエットに励むだけでは、また失敗してしまう可能性は高いと思います。
そもそもダイエット(運動)はキツいし面倒なもの
私は生まれ変わった!今度こそ痩せる!
ダイエットのスタート時は、皆さんこのような気持ちではないでしょうか。ダイエットはキツく面倒くさいものであることを、この時は皆さん忘れています。
そして、スタート時の熱が冷めてきたときに、ふと思い始めます。
このように、大義名分ができたらもう今日はお休み一直線です。ただ、このように一日休むこと自体は何の問題もありません。残業や本当の体調不良、急な予定など、予定していても行けなくなることは誰にでもあります。
肝心なのは、一度下ろした腰を上げる時の重さです。
この点について、退会手続き・退会届からひも解いていこうと思います。
ジムをやめる人の本音
退会手続きでのヒアリングや退会届のコメント欄を見ると、退会理由の圧倒的1位は「忙しくなった。」です。
お分かりの通り、これはほぼ全ての人が建前(嘘)です。
本音を言うと、「ジムに来るのが面倒くさいし、どうせ行かないのに高い会費ばかり掛かって金の無駄だから。」です。
入退館記録等を確認すると、退会者は決まって最初の2,3ヶ月は来ていて、それ以降は音沙汰がありません。退会する方皆が皆、ジムに入会して3ヶ月経つと忙しくなるのでしょうか。
そんなはずがありません、ヒアリング等で掘り下げていくと、やはり本音は「行くのが面倒くさくなった。」という方がほぼ大半です。
実際、「スポーツジムに行く。」って、結構面倒くさいですよね。私も現在は会員としてジムに通っているので分かります。仕事から帰って服を用意してジムに移動して、結構手間が多いです。
入会したときは、モチベーションMAXでやる気に満ち溢れているので気になりませんが、落ち着いてくると「せっかく仕事から帰ってきて、これからジム行くのか…。」と鬱々としてきます。
もう挫折しない根本的解決法
面倒くさくなる原因は、運動までのハードルが高いことと、運動自体のハードルが高いことが主です。
運動までのハードルが高い
ジムに入会されている方であれば、わざわざ着替えて準備して移動して…運動するまでの手間が多く嫌になってしまう方が多いです。
運動自体のハードルが高い
負荷をかけなければ意味がない、と疲れるくらいまでやってしまう方が多いです。そのような方は、運動前から運動後の疲労を想像して面倒くさくなってしまいます。
基本的に、この二点を解消できれば挫折率は圧倒的に下がります。
つまり、運動を始めるまでの手間を少なくして、最初は軽めの運動からスタートすることで挫折する確率が下がります。
食事であれば、急に食生活を変化させるのではなく、まずは週に2回だけおやつをカロリー低いものにしてみる、などが良いと思います。
初めは「これでいいのかな?」くらいがちょうどいい
ダイエットはキツくて面倒くさいものです。
始めたてはやる気で麻痺しまっているので目一杯やってしまい、後々疲れるので嫌になってしまいます。
なので、まずは「ちょっと疲れたかな?」と思う程度で止めて、余裕でこなせるようになったら、例えば腹筋の回数を3回程度など、刻んで増やしていきましょう。
ジムであれば、「運動内容は置いておいて、とりあえず行くことがゴール」くらいを目標にするのもいいと思います。
このようにすることで「面倒くさい」、「キツい」という意識を持つことなく運動習慣を身に着けることが出来、食事も「制限する」という感覚が比較的薄いまま食生活改善を図ることができます。
最後に
このようなことを書くと「こんなんじゃ時間がかかるんじゃないの?」という不満が聞こえてきそうです。
ダイエットは一朝一夕で何とかなるものではありません。
ダイエットの終着点は何かというと、痩せた体を維持し、ダイエットをしているという意識から解放されてその生活を日常化することです。
そして、習慣を変えるということは、生き方を変えるといっても過言ではありません。なので、とても時間がかかります。
一瞬痩せるだけなら、過度な食事制限や瞬間的なハードなトレーニングで可能かもしれません。しかし、それは忍耐に他なりません。その生活をずっと続けることは難しいです。
手っ取り早く痩せても、その2カ月後に元の体重に戻っていては全く意味がありません。
なので、ダイエットを終わらせるためには、コツコツ積み重ねて痩せて綺麗な体を維持できる生活習慣を身に着けて、これを日常化させる必要があります。
焦ってハードルを上げず、手軽に小さいところからコツコツ頑張るというのが、ダイエットを成功させる秘訣です。