ボディメイクの方法として、筋肉をつけていくことと脂肪を落としていくことの2つの方向性があります。
除脂肪は、日体大教授であり現役のボディビルダーでもある岡田 隆 先生が提唱する方法です。
私もボディメイクにおいてこの「除脂肪」という視点は不可欠であると考えています。
当サイトでも「ダイエット」というワードを便宜上用いていますが、基本的には今回紹介する「除脂肪」という意味合いで用いています。
・ボディメイク成功には減量主義からの脱却が不可欠
・長期的な視点で継続することが大切
・PFCバランスについて
目次
除脂肪をマスターすれば理想の体を手に入れ、維持できる
除脂肪はリバウンドするリスクを極力下げて効率よくボディメイクすることができます。
私も日々のボディメイクにおいて実践しています。
また、私は岡田先生の著書等で日々勉強しているため、岡田先生の影響を強く受けています。
本記事のベースとなる岡田先生の著書をご紹介します。
是非、こちらの画像リンクからチェックしてみてください。
除脂肪には短期ダイエットや減量主義からの脱却が必要
成功の秘訣は「脱・減量」
減量は量を減らすこと、体の重さを減らすことを言います。
一方、除脂肪は脂肪を減らすことを言います。
減量はとにかく体重を減らすのに対して、除脂肪は脂肪のみを減らすことを目的にします。
ボディメイクを成功させるには脱・減量主義が不可欠となります。
体型を変えるにはライフサイクルを変える
体脂肪を減らすにはどうしても時間が掛かります。
短期間で体重を落とす減量と比べて、健康的に痩せるためには体に負荷を掛けすぎず行う必要があります。
また、生活が維持できなければ体型も元に戻ってしまいます。
短期集中の過度なダイエットであれば、リバウンドする可能性も非常に高いです。
体型を変えるためには今後のライフサイクルを変えるつもりで取り組む必要があります。
長期的な視点で脂肪を減らすことに意識を剥けることが大切
目標体重を設定して短期的に達成したとしても、元の生活に戻れば体重も元に戻ります。
除脂肪をライフサイクルに取り入れ習慣化すれば、その運動量や摂取カロリーに見合った体型を維持できます。
なので、除脂肪を意識した生活をライフサイクルに取り入れることが非常に大切です。
除脂肪とは?痩せる=除脂肪ではない
先ほど「脱・減量主義」が成功の秘訣とお話ししました。
そこで、いわゆる減量=ダイエットと除脂肪を比較しながら除脂肪について解説していこうと思います。
体重が落ちる=脂肪がおちる、ではない
「体重が落ちる=脂肪がおちる、ではない」と聞くと、「そんなの当たり前」と思われるかもしれません。
しかし、除脂肪を実践するにはこの意味をしっかりと理解しておく必要があります。
人体は脂肪以外にも筋肉は勿論のこと、食べたものや水分、排泄物など様々なものを体内に蓄えています。
体重だけを減らしたいのであれば一食食事を抜けば瞬間的に体重は減ります。
しかし、当然脂肪が減ったという訳ではありません。
体重の増減は脂肪量だけでなく複合的な要素があります。
目先の体重の上限に囚われてしまうと、除脂肪からぶれてしまう危険性があります。
「体重が落ちる=脂肪がおちる、ではない」ということを心に留め、長期的な視点で除脂肪に取り組みましょう。
岡田先生の筋肉授業でも言及されています
糖質制限(ローカーボ)は、体重が落ちるが脂肪は落ちない
最近よく耳にするのが「糖質制限(ローカーボ)ダイエット」です。
「糖質制限で、〇ヶ月で〇キロ痩せた!」という甘い誘惑を多く目にします。
これは筋肉に蓄えられている糖や水分が抜け出るので、その抜け出た分体重が軽くなっているに過ぎません。
確かに、糖質制限を継続すると糖質の代わりに脂質を使おうとする状態(ケトーシス)になります。
しかし、糖質を摂らないと思考は鈍り体力が急激に低下します。
悪化したケースでは、仕事や家事を行うことも難しい状態になることもあります。
このようなことから、糖質制限は一時的には体重は落ちますが脂肪が落ちたという訳ではありません。
また継続も困難なので失敗・リバウンドする可能性が非常に高いです。
除脂肪はリバウンドしない
除脂肪は長期的に脂肪を落とすライフサイクルを習慣化するものです
なので、リバウンドするリスクは低いと言えます。
「ここでダイエットを終わらせる!」という気持ちをお持ちの方は是非除脂肪に取り組みましょう。
カロリーのベースラインを把握し、カロリーとPFCを調整する
除脂肪を実践するには、まず自分の体に適正なカロリーのベースラインを把握する必要があります。
次に、どの栄養素をどのくらい取ればいいか認識する必要があります。
カロリーのベースラインとは
ここでいうベースラインは、現状の体型を維持するのに必要なカロリーをいいます。
ベースラインの目安の計算式は、除脂肪体重×40=ベースラインとなります。
除脂肪体重とは、体重から体脂肪(体重×体脂肪率)を引いたときの体重です。
カロリーの正確なベースラインを把握する方法
ベースラインの目安を算出したら、ベースラインのカロリーを基準にして1週間生活してください。
体重の増減があった場合にはベースラインの目安よりカロリーの増減を調整しましょう。
体重が減少したのであればカロリーを増やし、体重が増加したのであればカロリーを減らしてください。
体重に変動がない場合は、ベースラインの目安がそのままベースラインのカロリーということになります。
PFCバランスを調整する
PFCは三大栄養素
PFCとはそれぞれ、P=たんぱく質、F=脂質、C=炭水化物を意味します。
これらは身体にとって重要な栄養素であり三大栄養素と呼ばれています。
たんぱく質 | 4kcal/1g | 筋肉や髪の毛、皮膚などを作るための材料となる。 |
脂質 | 9kcal/1g | テストステロン(筋肉の発達を促進する男性ホルモン。女性にも存在し、ボディメイクに重要なホルモンです。)を作るのに必要なコレステロールが含まれている。 |
炭水化物 | 4kcal/1g | 体や頭を動かすためのエネルギー源となる。 |
PFCバランスを調整する
除脂肪を行っていく上で、このPFCのバランスを調整していくことが重要です。
脂質を見ると1g当たりのカロリーが9kcalであり、たんぱく質と炭水化物の2倍のカロリーがあることが分かります。
なので、脂質を多く摂る食生活だと太りやすいということが分かります。
それぞれの摂取比率の指標ですが、以下の通りとなっています。
1日の摂取カロリーの目安にそれぞれの摂取比率を掛けた数が摂取量の目安となります。
食事回数を増やし、タイミングと分配比率を考える
「夕食は食べない方が痩せる」など、食事は減らす方が効果的であるような誤解が世の中に広まっています。
しかし、リバウンドをしないよう長期的な視点で除脂肪をするのであれば、食事回数は逆に増やすよう心がけましょう。
では、なぜ食事回数を増やした方が良いかご説明します。
食事回数を増やすと筋肉が落ちにくく、脂肪がつきにくくなる
取り込まれる栄養が不足すると、筋肉を分解してエネルギーを補います。
そうなると、体の筋肉が落ちてしまいます(「カタボリズム」といいます)。
食事回数を2食増やし1日5食にすれば、食事の間隔が短くなりカタボリズムを防ぐことが出来ます。
また、血糖値が下がっている時間が長ければ長いほど、インスリンの過剰分泌を引き起こしやすい状態になります。
インスリンが過剰分泌すると脂肪細胞への栄養の取り込みが活性化され脂肪の合成が加速されます。
間食などで食事を増やすことで、インスリンの過剰分泌を防ぎ脂肪の合成が控えられます。
したがって、脂肪もつきにくくなります。
知らなきゃ!間食こそダイエットの味方|間食のコツとメリデメ3選食事回数を増やしても総摂取カロリーは増やさない
食事回数を増やしたからといって、1日の総摂取カロリーを増やせば太ります。
食事回数を増やすときには、従来の食事量から増えないよう調整する必要があります。
私は1日5食にしています。
朝食と昼食の間、昼食と夕食の間にゆで卵を1個ずつ食べています。
摂取タイミングと分配を考える
一日の摂取カロリーを意識することはとても大切ですが、各食事のタイミングと分配比率を意識する必要があります。
朝とトレーニング前は食事を摂る必要があります。
朝とトレーニング前はこれから活動するのに必要なエネルギーをしっかり摂取することが大切です。
活動的なことをする前であればしっかりとエネルギーを補給しましょう。
逆に、デスクワークや家事をされている方であれば、昼食はカロリーを控えめにしましょう。
デスクワークや後の予定がない夕食などその後の活動が消極的となる場合は、カロリーを控えめにすると良いでしょう。
低GI食品を取り入れ、食物繊維を食事の最初に摂る
食べる物を低GIに置き換える
GI値は、簡単に言えばその食べ物を食べた時の血糖値の上昇値です。
血糖値が急上昇すれば、これを抑えようとインスリンが多量に分泌されます。
インスリンの過剰分泌は脂肪の合成(製造)を促進させてしまいます・
なので、高GI→低GIの置き換えはボディメイクに効果的です。
べジファーストでインスリンの過剰分泌を防ぐ
食物繊維が含まれている野菜を食べると、血糖値の上昇を和らげることが出来ます。
血糖値の上昇が和らぐとインスリンの過剰分泌は起こりにくくなります。
これにより脂肪の合成を減らし、太りにくくなります。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の二種類があります。
この効果があるのは水溶性食物繊維を含む食べ物です。
水溶性食物繊維が多く含まれる食べ物
アボカド | オクラ | 山芋 | モロヘイヤ |
海藻類 | 納豆 | 大根 | ひじき |
りんご | いちご | 人参 | ごぼう |
有酸素運動でボディメイクの効率アップ
除脂肪においても有酸素運動は有効です。
消費カロリーが増えることで除脂肪が促進されます。
日常生活で有酸素運動を取り込む
通勤や通学も有酸素運動といえます。
ひと駅前で降りて歩いて通勤したり、あえて遠回りして買い物したりすることで日常生活を有酸素運動に活かすことができます。
ランニングなども有酸素運動ですが、長時間を要します。
運動習慣が身についていない方が取り入れるのは継続の困難さからおすすめはしません。
まずは、日常生活の延長で有酸素運動に取り組むことから始めましょう。
筋力トレと併せて取り組む
筋力トレは短時間で済み高い効果が見込めます。
なので、日常生活で行う有酸素運動と筋トレを並行することで高い効果が期待できます。
日中は有酸素運動、夜は筋トレのように時間を二分割して行うとより効果的です。
少しずつ積み重ねて習慣化することが大切
除脂肪に限らずボディメイク全般に言えることは、継続して習慣化することが必須です。
習慣化して日常生活となることで、理想の体を維持できるようになります。
一気に負荷をかけると、反動でリバウンドする可能性が非常に高いです。
少しずつの積み重ねを継続して習慣化し、日常生活が除脂肪生活となれば成功です。
一過性のダイエットを卒業し、除脂肪に取り組んできましょう。